Day3:GPUスパコンとOpenACC セッション

Technical Session 2
2020年11月26日(木)​15:00-17:20

GPUは消費エネルギーあたりの演算性能が高いため、近年、日本や米国をはじめとした様々な国で、GPUを大規模に搭載したスパコンが稼働しています。
 
NVIDIA社のGPU向けアプリケーション開発といえば、これまではCUDAによる開発が性能を引き出すためには必要不可欠でしたが、その開発コストは高く、大きな課題でした。しかし、ここ数年、ハードウェアの進化とともに、コンパイラやライブラリも大きく発展し、OpenACCといった指示文ベースの開発環境も成熟してきました。一般のユーザーがより少ない労力でGPUアプリケーションを開発する環境が整い、多くの実アプリケーションの開発においてもOpenACCが利用される時代となりました。
 
昨今、GPUというと深層学習が注目されるところではありますが、2020年8月にNVIDIA社はこれまでCUDAやGPU用ライブラリ、またPGIコンパイラとして販売・提供してきたものを包括的に統合し、NVIDIA HPC SDK としてリブランディングしました。OpenACCに対応したコンパイラもNVIDIA HPC SDKに含まれることとなり、ますますOpenACCが重要な役割を担うようになり、GPUアプリケーション開発も活発になるのではないかと期待しています。
 
本セッションでは、GPUをシミュレーションに活用したいと考えている技術者を対象にして、OpenACCを用いたプログラミングの基礎とOpenACCを用いたアプリケーション事例についてご講演いただきます。
また、最新のOpenACC対応コンパイラを含んだNVIDIA HPC SDKの最新情報をご紹介し、GPUプログラミングの技術トレンド、ソフトウェア開発の方向性、今後の課題を考察していきたいと思います。

オーガナイザー:

下川辺 隆史 先生
博士(理学)​
准教授
東京大学 情報基盤センター

丹 愛彦 氏
​博士(工学)
HPC ソリューションアーキテクト 
エヌビディア合同会社

Day3 タイムスケジュール

司会:
東京大学 下川辺  隆史 先生
エヌビディア合同会社 丹 愛彦 氏

プログラム
14:55-15:00 ご挨拶
GDEPソリューションズ株式会社 営業部長 牛木 威志
15:00-15:20 20min 講演1
OpenACCではじめるGPUプログラミング

東京大学​
星野 哲也 先生​
15:20-15:30 10min 質疑応答 & 休憩タイム
15:30-15:50 20min 講演2
OpenACCを用いた​高次精度非構造流体ソルバーのGPUによる高速化

宇宙航空研究開発機構​
多湖 和馬 様
15:50-16:00 10min 質疑応答 & 休憩タイム
16:00-16:20 20min 講演3
NVIDIA HPC SDK ご紹介とProfessional Support Serviceについて

エヌビディア合同会社 平野 幸彦 様
プロメテック・ソフトウェア株式会社 廣川 祐太
16:20-16:30 10min 質疑応答 & 休憩タイム
16:30-17:20 20min 座談会企画
GPUが支えるDX 変革の今、この先を考える
- GPUスパコンとOpenACC ー

モデレータ: エヌビディア合同会社 古家 真之介 様

登 壇 者: 名古屋大学 大島 聡史 先生
(お名前五十音順) 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 滝澤 真一朗 様
              宇宙航空研究開発機構​ 多湖 和馬 様
              東京工業大学 野村 哲弘 先生
              北海道大学 深谷 猛 先生
              東京大学​ 星野 哲也 先生​
              理化学研究所 宮島 敬明 様

Day3 講演概要

講演1
​15:00-15:20

コラム掲載中!
こちら

OpenACCではじめるGPUプログラミング

東京大学​
情報基盤センター
助教 星野 哲也 先生​

OpenACCは、GPUプログラミングをより楽にするために開発された並列プログラミングモデルです。

本講演では、主にこれからGPUプログラミングを始める初心者の方に向け、OpenACCとはどのようなものなのか、何ができて何ができないのか、どのようなアプリケーションで有用であるのかなど、事例を交えて紹介します。


講演2
15:30-15:50

OpenACCを用いた
​高次精度非構造流体ソルバーのGPUによる高速化

宇宙航空研究開発機構​
研究開発部門 第三研究ユニット​
研究開発員 多湖 和馬 様

宇宙航空研究開発機構(JAXA)ではロケットエンジンのフルスケール解析のために高次精度非構造流体ソルバーLS-FLOW-HOを開発してきました。

本ソルバーはセル内に自由度を持つ流束再構築(FR)法を採用し、データの局所性と階層性に着目してCPUスパコン向けの高速化を実施するとともにGPU化も進めてきました。
本発表では、LS-FLOW-HOのOpenACCによる実装とGPUスパコンでのスケーリング性能,実問題への適用事例を紹介します。


講演3
16:00-16:20

NVIDIA HPC SDK ご紹介とProfessional Support Serviceについて

エヌビディア合同会社 プリンシパル ソリューション アーキテクト ​
平野 幸彦 様

プロメテック・ソフトウェア株式会社 HPCエバンジェリスト兼テクニカルサポート
廣川 祐太

NVIDIA HPC SDKは、PGI コンパイラ&ツールから進化した、コンパイラとライブラリの包括的なスイートです。
コンパイラの最新機能や、最新版のフリーダウンロード、アーカイブのご利用等について、概略をご紹介いたします。

また、プロメテック・ソフトウエアからは HPC Compiler Support Service (HCSS) に関する Professional Support Serviceサポート体制と内容についてご紹介いたします。


座談会企画
16:30-17:20

GPUが支えるDX 変革の今、この先を考える 
- GPUスパコンとOpenACC -

モデレータ
​古家 真之介 様
エヌビディア合同会社
HPCデベロッパーリレーションズ

登壇者

准教授
大島 聡史 先生
名古屋大学
​情報基盤センター

主任研究員
滝澤 真一朗 様
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
情報・人間工学領域 人工知能研究センター

研究開発員 
多湖 和馬 様
宇宙航空研究開発機構​
研究開発部門 第三研究ユニット​

助教
野村 哲弘 先生
​東京工業大学
​学術国際情報センター

助教
深谷 猛 先生
​北海道大学
​​情報基盤センター

助教
星野 哲也 先生
​東京大学​
情報基盤センター

特別研究員
宮島 敬明 様
理化学研究所
​計算科学研究センター